サイゾー連載、単行本化決定!

  • 2021.10.19

2015年3月から6年半にわたって連載したライフワーク「稲田豊史のオトメゴコロ乱読修行」が今月号の『ブラック・ウィドウ』で最終回を迎え、サイゾー社より来春単行本化されることが決まりました!

フィクションに描かれた女性性(オトメゴコロ)やそれを取り巻く諸問題・諸論点を、いち文化系中年男性の立場から分析・考察するというコンセプトでスタートした本連載。この6年半でフェミニズムやジェンダーをめぐる国内外の状況は大きく変遷しましたが、いち男性ライターがその時々に抱いた所感・認識が作品評の形で記録されていること、それらが「いつ書かれたテキストなのか」を明示した状態でまとめて読めるようにすることは、それなりに意義があるかなと。と同時に、40歳から47歳までの私の「女性観変遷史」でもあります(誰が読みたいんだw)。

いずれにしろ、全仕事の中でもっとも「己」と向き合い、もっともリミッターを外して書き続けたテキストであり、毎月唸りながらの難産、「濃厚な煮汁」「痛みを伴う膿み」みたいな連載でしたから、単行本化は長らく念願でした。

書籍化に際しては全73回、20数万字に及ぶテキストをすべてひっくり返し、徹底的な編集を施します。書籍への収録回を厳選し、丁寧に加筆修正し、テーマ別に再構成し、かつサイゾー以外に寄稿した評論や論考も収録する所存。

本書は私にとって通算5冊目の単著になりますが、椎名林檎で言うとソロ第1期の最後を飾る3枚目のアルバム『加爾基 精液 栗ノ花』の位置づけですかね。林檎はその後、東京事変の活動をスタートするわけですが。節目というか、それまでの集大成というか。

ご期待ください!