企画・編集『ヤンキーマンガガイドブック』2014/12/5発売!

  • 2014.11.06

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まるまる1冊、企画・編集させていただいた『ヤンキーマンガガイドブック』(DU BOOKS)が12月5日に発売されます。

 

よくもまあ、こんな豪華な人たちに書いていただけた・話を聞けたものだと思います。書き手は、磯部涼さん、小林聖さん、高畠正人さん、ツクイヨシヒサさん、速水健朗さん、松谷創一郎さん、森田真功さん、山内マリコさん、ラリー遠田さん…ほか。インタビューは『クローズ』の髙橋ヒロシ先生はじめ、「ヤングマガジン」元編集長で『エリートヤンキー三郎』担当だった伊香淳一さん、『ワルボロ』原作のゲッツ板谷さん、コアな髙橋ヒロシ作品ファンである品川庄司の品川祐さん、パンクマンガ家の山下ユタカ先生――。

 

装丁と本文デザインは、銀杏BOYZのアルバムブックレットなどをデザインされた坂脇慶さん。モノクロ・文字多めの誌面をよくぞここまで……というアイデア満載のデザインワークが炸裂してます。編集サイドのふわっとしたイメージに対する打ち返しのジャストミート感に惚れました。

 

表紙イラストは前川さなえさん。以前『あまちゃんメモリーズ』という本にたくさんの「あま絵」を描いていただき、いつかお仕事したいと思っていたところ、念願叶いました。そうそう、そういうの!それそれ!と思わず声をあげたくなる、渾身の短ラン・リーゼント野郎です。読者に超ガンつけてていい感じです。

 

もう本当にありがたいことです。台割をつくっているときの至福感ったらありませんでした。

 

本来、編集者の名前はそこまで前面に出すものではないのですが、出版社の方のすすめにより、わりと出す感じでつくらせていただきました。実は表紙に名前が入るのは初めてなので、ちょっと、否、けっこう感無量です。

 

とにかく寄稿やインタビューが素晴らしいので、手に取ってみてください。ここ数年のヤンキーに関する社会的言説を、マンガという切り口で総括できている内容に仕上がったと思います。これから何年経っても、ヤンキー史・ヤンキーマンガ史を探求する人が必ず参照する書物になるといいなあ、なんて。あと、愛称は(リスペクトを込めて)「ヤンマガ」でお願いします。

 

 

目次

 

【インタビュー】
高橋ヒロシ 『WORST』の最終回はザ・ブルーハーツしかなかった
伊香淳一 (元「ヤングマガジン」編集長) ヒットするヤンキーマンガは私小説である
山下ユタカ 80年代、ヤンキーはスクールカーストの頂点だった~80年代湘南地区ヤンキーの実態
ゲッツ板谷 80’sリアル不良ライフin立川
品川祐(品川庄司) ヤンキーマンガは歴史小説だ!

 

【ヤンキーマンガの歴史】 森田真功
1960-70年代 ヤンキー登場前夜
1980年代 百花繚乱の時代
1990年代 様式の細分化とテーマの深化
2000年代 モラトリアムを越えて
2010年代 DQNと下流社会の描出

 

【これだけは読んでおきたい! ヤンキーマンガ作品解説】
1960-70年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代

 

【論考】
ヤンキーマンガ分類学序説 高畠正人
音楽とヤンキーマンガ 磯部涼
不良少年とヤンキーマンガ――ヤンキー史概説 松谷創一郎
1968年にヤンキーという思想の登場を見る 速水健朗

 

【エッセイ】
『ONE PIECE』はヤンキーマンガである ラリー遠田
N先輩 〜中学卒業間際〜 山内マリコ

 

【コラム】
王道vs.DQN系――出版社によって異なるヤンキー像 小林聖
少女マンガにおけるヤンキーの役割史 小林聖
レディースマンガが抱える困難 森田真功
ヤンキーマンガとして読み解く『幽☆遊☆白書』と『SLAM DUNK』 小林聖
文化系の私が「90年代なんちゃってヤンキーマンガ」にハマった理由 ラリー遠田
元ヤン教師の「型破り」力 森田真功
ヤンキーマンガの「敵とゴール」問題 小林聖
作者の元ヤン歴で見るヤンキーマンガ ツクイヨシヒサ
アートとヤンキー 櫛野展正(鞆の津ミュージアム)

 

【特別寄稿】
ヤンキーはすでに死んでいる 関純二(元「ヤングマガジン」編集長)

 

【書店員座談会】
ヤンキーマンガを読んでいるのは誰?